ジャズトロンボーンの歴史とCarl Fontana

音楽/日々の練習

ジャズのフロントと言えばサックス、トランペット。
多くの場合が大体そうだ。

しかし私は旅するトロンボーン。
海外にもトロンボーンを持って行きジャズを演奏しているわけです。

ジャズトロンボーンもっと輝け!

そのためにまずジャズトロンボーンの認知を増やす。
そんなわけで今回は……

ジャズトロンボーンの歴史とCarl Fontanaのお話

ジャズトロンボーンの歴史

1920/1930年代 トロンボーンの平穏

ジャズの始まりは諸説あるが今回はLouis Armstrongから。
(ディキシーランドとかもあるが今回は飛ばす)

スイング時代全盛期。
この時代のジャズではトロンボーンは結構幅を利かせていました。
Jack Teagarden(トロンボーン)は結構有名で、Louis Armstrongとのよくつるんでいたそうです。

1940年代 トロンボーンの苦難

しかしCarlie ParkerやDizzy Gallespieを先陣にビバップ時代が到来します。
この時代になるとトロンボーンは活躍の場をどんどん失っていくことになります。
理由は二つ。

1. 単純にバンドのサイズが縮小した

ビバップ時代は今一般のコンボスタイルが流行り始めた時期になります。
コンボとは通常ピアノ(コード)、ベース、ドラム(リズム)、フロント(トランペット、サックス)から構成されます。
スイング時代のビッグバンドとは対照的で、より自由に即興的に演奏を追求していくバンドスタイルです。

2. ビバップはすんごく難しかった

  • まず曲が早い
  • そしてフレーズが難しい

この時代のトロンボーンのプレースタイルでは早く複雑な曲に対応できませんでした。

当時のトロンボーン『こんな難しいの無理!』

トロンボーンはトランペットやサックスのように押せば音が変わる魔法のボタンはついてはいません。
そのためこの時代のジャズのトロンボーンはCarlie ParkerやDizzy Gallespieのような演奏をすることができませんでした。

バンドのメンバーを減らします。

トロンボーン……これ演奏できないの?

トロンボーンいらなくね?

トロンボーンはトランペットやサックスの日陰を歩くことになるんですね ←

1950年代 トロンボーンの復活

1940年代、ジャズトロンボーンは敗北を喫しました。
実際、スライドトロンボーンからバルブトロンボーンに持ち替えをする人いたほどです。

しかしスライドトロンボーンに救世主が現れます。

J.J.Johnson。
ジャズトロンボーンを少しでも聴いたことがある人はJ.J.Johnsonという名前を聞いたことあると思います。

彼のプレースタイルは今までのトロンボーンの演奏……ではなく!
ビバップの影響を強く受けていきます。
ビバップ、すなわちサックス/トランペット。
Carlie ParkerやDizzy Gallespieの影響を受け、J.J.以前のトロンボーンとは全く違う演奏スタイルを確立します。

ジャズトロンボーンがビバップに追いつき、再び日の当たる世界を歩くわけです。

ジャズトロンボーンの歴史においてJ.J.はトロンボーンの可能性を示した男です。
そして現代ジャズトロンボーンにはもう一人無視することができない存在がいます。

Carl Fontana

彼はトロンボーンの可能性を広げた男です。

Carl Fontana

彼が初めて時代に顔を出すのは1951年。
場所はルイジアナ州、ニューオーリンズ、Blue Roomにて。
Woody Hermanバンドは問題を抱えていた。
Urbie Green(有名なトロンボーン奏者)がニューヨークに帰ってしまったのです。
(とは言っても彼の子供が生まれただけで3週間ほどの離脱)

その時、現地にて代わりのトロンボーンが派遣されました。
彼の名前はCarl Fontana。

代役で派遣されたFontanaですが、彼の演奏は聴く者の度肝を抜かしました。

この時代は既にJ.J.がジャズトロンボーンの王者となる基盤を築き始めていました。
しかしFontanaはJ.J.とは異なるスタイルでジャズトロンボーンの可能性を広げました。

Woody HermanはCarl Fontanaを大層気に入りました。
Urbie Greenが帰った後もFontanaは正式なバンドメンバーになります。
Woody Hermanバンド以後もFontanaのトロンボーンは躍進を続けていく。

ドゥードゥルタンギング

Carl Fontanaの何がそこまですごいのか?

それはCarl Fontanaとそれ以前のトロンボーンを聴き比べれば一発でわかることです。
Fontanaの演奏は曲がどんなに早く複雑なフレーズでも何事もないように非常に滑らかな演奏をします。
後に彼のタンギング方法は”ドゥードゥルタンギング”と呼ばれます。
彼の台頭以後、世界中の多くのジャズトロンボーン奏者が彼のドゥードゥルタンギンを練習しています。

The Great Fontana
Carl Fontanaがリーダーとしての最初のアルバム。
自分は耳コピもして彼のスタイルを練習しています。
耳コピ楽譜: https://isseiec.com/transcriptions

Trombone Heaven
フロントは2人のトロンボーン、Frank RosolinoとCarl Fontana。
初めて聴いても違いが分かるほどタンギングが全く異なる。
Carl Fontanaは音と音の間がスムーズ。
Frank Roslinoはトロンボーン奏者は特にタンギングの癖が強い。
スタイルは全く異なりますが、どちらも早く複雑なフレーズを吹きこなしています。

Carl Fontanaを聴こう

現在のジャズトロンボーンでCarl Fontanaの存在は決して無視できる存在ではありません。

トロンボーンをやっている?
ならCarl Fontanaを聴こう!

ジャズをやっている??
ならCarl Fontanaを聴こう!!