私、ECは高校生のとき吹奏楽部でトロンボーンを始めました。
恥ずかしながら高校以前はカラオケすら行ったことがない音楽とは全く無縁の生活。
当然音楽自体もほとんど聴かず、知っているのはアニソンばかり。
楽器経験は保育園のピアニカ、小・中学校のリコーダー以外は全くの未経験。
トロンボーンを始めた当初はただ音を出すのさえ一苦労。
そしてある程度音が出るようになってくると次に言われることは……
『音程が悪い』
今回は音程が悪いを治す方法を書いていきます。
『音程が悪い』
- 音程が悪い
- 周りと音を合わせろ
- しっかり隣の人の音を聴いて
こんなことを言われます。
ちゃんとやってるつもりなのに違うと言わると少し『むっ』とします。
しかしこれは、もう一人自分がいて前で聴けば一目(聴)瞭然です。
“みょんみょんみょんみょん”
前から聴くとこんな感じの音が鳴ってます。
ポケモンの”さいみんじゅつ”みたいな感じです。
相手は”ねむり”ではなく”こんらん”状態になりますが。
『じゃあどうすればいいさ』
僕が高校生の頃に言われていたことは……
『チューナーをしっかり見て針を真ん中に合わせろ』
このようなことを言われました。
これである程度うまくは行きます。
単音ならば。
『皆で同じ音を出して音を合わせましょう』
チューナーを使えば音を合わせることはできます。
ただ問題は……
違う音を出した場合、この方法ではうまくいきません。
チューナーは音合わせでは役に立たない
吹奏楽で使うチューナーには何やら数字が書いてあります。
この数字の単位はcent(セント)。
複数の音を出す場合、基準の音一つ一つに対し音を合わせる為に音程を微妙に変える必要があります。
例えば『完全にチューニングされた』”C”を基準に……
- “E”を出す場合は”E”の音を”14″セント下げる
- “G”の音の場合”+2″セント
- “Eb”なら”+16″セント
- エトセトラエトセトラ……
12音それぞれにあります。
不可能です!
不可能ではありませんが、現実的ではないです。
そしてこれは基準の音が完全に音程通りに鳴っている場合のみ。
当然、基準の音が少しでも違えばまたピッチを変えなければなりません。
『基準の音が3セント下にずれている。自分の音は3度だから17セント下げれば良いのか……』
↑こんなの絶対音感があっても無理です。
音程が悪いの本質
結局のところ、音程を合わせるには周りの音を聴いて合わせなければいけません。
- 周りと音を合わせろ
- しっかり隣の人の音を聴いて
この二つは正しいのです。
ただ、『やれ』と言われてできれば苦労はありません。
なぜならこれは言われてできるようになるものではなく、練習で身につくものだからです。
“音程が悪い”を直すためには、”合っている音”を出しているのか、”ずれている音”を出しているのか、その感覚を身につける必要があります。
それをを身につけると音程を良くする方法がわかるようになってきます。
個人の感じ方なので感じ方も違います。
身近な人に聞いてみるのも良いかもしれません。
『音程が合っているってどんな感じですか?』
- なんか合ってる感じがする
- 倍音が聞こえる
- 美しいハーモニー
- 世界の平和がここにある(?)
音程が悪いの処方箋
では具体的な練習方法。
一つの音の単音もしくは複音をf(フォルテ)で鳴らし、その状態でスケールの練習をすること。
これが効果的です。
楽譜にすると上のような感じです。
Cの音を出して貰ってCメジャーのスケール練習。
キーボードのオルガンを使うのがおすすめです。
なぜなら音量と音程を保ったまま鳴らし続けることができる、更に複数音(オクターブ近い)の”C”も同時にならすこともできるからです。
- 管・弦楽器ではブレスが必要だったり、音程が変わってしまう
- ピアノや打楽器では音を一定に保ち続けるのが難しい
他にもチューニングCDを使うという方法もあります。
チューニングCD
チューニングCD。
自分が大学生の頃からお世話になり、今も練習で使ってます。
使うのはこれの最初の12トラック、C~Bというトラック。
3分間そのトラック名の音(CならC)がオクターブ違いの複音が3分間鳴り続けるだけのCDです。
- オクターブ違いの複数音
- ボリュームを上げれば音を大きくできる
- 一定の音量
- 音程が変わることがない
- キーボードを用意する必要がない(スマホに入れてイヤホンでも練習することができる)
このCDが鳴っている状態で自分の音を出すと合っているかどうかを自分で聞き分けることができます。
自分の感覚では……
- 音程が合っているとCDの音に自分の音が溶け込む感じ
- 音程が外れているとCDの音と自分の音がぶつかって感じ
前述したように音程が合っているかの感じ方は人それぞれです。
ただし、音を合わせる上で合っているかを感じ取れるのは非常に大切。
スケールの音1つ1つで音の合う感覚も違います。
チューニングCDを使うことにより『周りの音に合わせるという感覚』を学ぶことができます。
音程を良くする練習
このように基準の音を鳴らしながら複数のキーで練習しましょう。
1日3つの音(チューニングCDなら約10分)音出しの時に練習してください。
音の選択方法は……
- 自分がよく使うキー(吹奏楽ならBbやF)
- 演奏する曲のキー
- 自分が苦手なキー(B♮やF#)
初めてすぐにでも感覚を掴めるようになり、1,2週間の練習で劇的に音程が良くなります。
初めの間はマイナーのキーをあまり考える必要はありません。
マイナースケールを練習するのも非常に効果的なのですが、『周りの音と合う』という感覚を一度身につけると、その感覚をそのままマイナーにも応用することが可能だからです。
高校生の僕へ
もしも僕が過去に戻れて高校生の自分に何か伝えられるなら……
『チューナーではなくチューニングCDで練習しろ!』
と伝えたい!