ジャズトロンボーン研究/デルフィーヨ・マルサリス(Delfeayo Marsalis)-Autumn Leaves

音楽/日々の練習

Autumn Leaves

デルフィーヨ・マルサリス(Delfeayo Marsalis)アルバム、The Last Southern Gentlemenより。
Autumn Leavesは『ジャズをやっているならだれもが知っている曲』。
作曲はJoseph Kosma。作詞はJacques Prevert。

この曲はアメリカ出身ではなく、フランス出身。
曲の原題はフランス語で”Les feuilles mortes”。
“Les Portes de la nuit”という映画の為に作曲された曲です。

フランスの原題をそのまま英語にすると”The Dead Leaves”となるのですが、Johnny Mercerが歌詞を英語にする際に英語タイトルが”Autumn Leaves”となりました。

Autumn Leavesの進行

Autumn Leaves
(曲のコードのPDF)

フォームはAABC。
一つのレターごとに8小節ずつのの32小節。
コードがG-に収まっており、進行のほとんどがメジャーのii-V-Iとマイナーのii-V-iで構成されています。

|ii        |V        |I          |(IV)…
|Cm7   |F7      |BbMaj7 |(EbMaj7)…

|ii        |V        |i…
|Amb5 |D7      |G-7…

デルフィーヨ・マルサリスのソロ

デルフィーヨ・マルサリスのソロのPDFは以下を参照。

耳コピ楽譜置き場: https://isseiec.com/transcriptions

メロディ

まずはメロディです。

楽器だろうとボーカルだろうと、ジャズのスタンダードでメロディを楽譜に書かれているまんま演奏するのは非常に稀です。
*元々のメロディを知っていることは大変重要。

Q. 楽譜に書かれていないメロディをどうやって練習するか?

それはもう曲を聴くしかありません。
曲を聴いて耳コピして実際に自分で演奏してみる。
これに勝る練習方法はありません。

デルフィーヨ・マルサリスの曲のメロディも楽譜そのままではありません。
いろいろなAutumn Leavesのメロディを聴いてみましょう。

使われているスケール

曲のコードがGマイナーの枠に収まっているので使われているスケールも言わずもがな、Gマイナースケールです。

左から

  • Gナチュラルマイナースケール(Bbメジャースケール)
  • Gハーモニックマイナースケール
  • Gメロディックマイナースケール

ソロの大部分がGマイナーファミリーのスケール内に収まっています。

ただ2か所。

これらの部分だけディミニッシュスケールです。

半音と全音が交互に交差する8音からなるスケール。
ソロではディミニッシュスケールを音階通りに下がっていくだけですが、それだけで一際強い存在感を放ちます。

シンプルなリズムを繰り返す

デルフィーヨ・マルサリスがこのソロで多用していること。

シンプルなリズムを繰り返す



どちらも8部休符、8分音符3つ。


同じ音同じリズムでも拍子を変えてみたり(リズミックディスプレースメント)



2小節の繰り返し

次から次へと新しいアイディアを出していくのももちろん良いですが、シンプルなアイディアを繰り返すことも味のある演奏にすることができます。

トロンボーンの技術

ここがこのデルフィーヨ・マルサリスを耳コピした理由。
トロンボーンの演奏技術を練習するには非常に参考になるソロであること。

装飾音

ピアノ、弦・木管楽器によく出てくる装飾音符(オーナメント)。
クラシックのトロンボーンだけをやっている場合は滅多にお目にかかる機会はありません。
しかしジャズトロンボーン奏者はソロの中で当たり前のように使っています。
自分も初めはクラシックなのでトロンボーンの装飾音符を決めるには練習が必要です。

そこでこのデルフィーヨ・マルサリスのAutumn Leaves。

オーナメントの連続。
この他にもソロの中でも『サクッ』と出てくるので練習に最適です。

タンギング

トロンボーンを演奏する上で他の他の管楽器よりも劣る部分があります。
それはトロンボーンはスライドを動かさなければならない点です。

それに付随する形で問題がもう一つ出てきます。
それはタンギングです。

サックスやトロンペットは楽器についているボタンを押せば音が変わり音の粒も揃います。
しかしトロンボーンの場合はスライド動かすと音は変わりますが、ただスライドを動かすだけでは”ワオワオ”した音、グリッサンドが入ってしまうため綺麗に聞こえません。

なのでトロンボーンを演奏する上でタンギングは非常に重要です。
速い曲を演奏する為にはそのタンギングの速さも肝になってきます。

Q. 四分音符160~170で16分音符のタンギングはできますか?

デルフィーヨ・マルサリスはやっています。
しかもアクセントというおまけもついています。

当然1つの音だけでソロを演奏するというのはないとは思いますが、まずは基礎から。

1つの音で、音の粒をそろえ、レガートもしっかりつけたタンギングをする。
普段の練習に最適です。