今回はこれまでで最大のトラブル!
これまでもいろいろと旅関連でトラブルに見舞われてきました……
国際線の飛行機を寝坊して逃す: https://isseiec.com/missedtheflight
隣に座った知らない人について行く: https://isseiec.com/followstranger
iPhoneをなくす: https://isseiec.com/lostiphone
とは言っても、それほどの実害はありませんでした。
……いや、楽器ケースを破壊されたことがありました。
3階から楽器を地面に叩きつけられる: https://isseiec.com/trombonebomb
しかし今回は規模が違います。
被害はなんと20万円!
しかも気を付けていれば防げたという始末。
今後は次回こそ引っかからない為にも、詐欺の手口を紹介します。
ドバイの街を歩いていると……
ドバイの街を歩いていると……1台の車が近づいてきました。
イタリア人(?)「空港までの道はどう行けばいいか知ってるかい?」
随分と訛りが強い英語。
このときはイタリア人とはわかっていません。
わかっているのはヨーロッパ系の発音で、ドイツ語やロシア語のような強いアクセントではないことだけ。
EC「”方向”だけなら知ってるよ」
旅行で訪れているだけなので地理は詳しくはありません。
しかし、ドバイにはドバイメトロが走っています。
そのメトロが空港も網羅しているために方向だけはわかりました。
イタリア人(?)「ありがとう!本当にありがとう!!。君は命の恩人だ!……そうだ!車の後ろにファッションショーの展示品だったスーツがあるんだけど、お礼にただであげるよ!!」
そんなことを言い車を脇に泊めて手招きをしてきました。
イタリア人(?)「僕はイタリアからアルマーニのスーツを販売する為に来てるんだ。これが僕の名刺」
名刺を渡される。
「アルマーニは知ってるだろう?有名なファッションブランドさ。
エンポリオって言うのはアルマーニの系列だよ。アルマーニ程高いスーツでは高くはないけれど。
新品で買おうとするなら20万円はするスーツさ。
今日はそれを友情の印としてただでプレゼントするよ」
スーツを取り出して僕に着せてくる。
「最高に似合ってるよ!手触りもいいだろう?……それにここを見てWool Super 180’s!ただここに100%ウールって書いてあるけどそれだけじゃない!スーパーウールだ!ウールの中でも激戦されたウールを使っているってことさ」
![](https://isseiec.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_3837-300x241.jpeg)
「先ほど展示品って言っただろう?このスーツは来年売りに出されるものでまだ販売していないんだ」
「しかも一着だけじゃないんだ。三着ある。君は困っている僕を助けてくれたからね。……灰色、青、黒この三着をプレゼントしよう!」
「絶対に売らないでくれよ。これは友情の証として君だけにプレゼントするんだ」
「もしもこれが市場に出回っているなんて上司に知られたら僕は殺されてしまうよ」
スーツの良さが永遠と語られました。
時間が経って話が落ち着いてくると声の調子を変えて一つの話を持ち上げました。
「なあ、友よ。聞いてくれないか?僕には今1つだけ問題を抱えているんだ……」
『クレジットカードが使えなくなってしまって国に帰れなくなってしまったんだ』
クレジットカードが使えなくなってしまって国に帰れなくなってしまった
「クレジットカードが使えなくなってしまって国に帰れなくなってしまったんだ」
「……お金ならあるんだほらこれを見てくれよ!」
小さいケースの中に大量のユーロ札(ヨーロッパのお金)がある。
「ただこれらは国に帰ったときに必要なお金なんだ」
「今日中に帰れないとなると僕は仕事を首になって一文無しになってしまうんだ」
大げさに泣く真似をしている。
「なあ、頼む!お金を貸してくれ!!
別にスーツで恩を着せようってわけじゃないんだ。
国に帰ったら必ず払う。
7000AEDでいい。
頼むから貸してくれないか?」
正直言うと、少し胡散臭いとは思いました。
……思いましたが7000AEDは20万円ぐらい。
これなら最悪なくなっても”痛い”思いをするだけです。
なので”OK”と言いました。
それと理由はもう一つ。
今まで僕は旅をしていて様々な”良い人”に会って来ました。
それで受け取った価値はプライスレス、計り知れるものではありません。
“お金が役に立つなら助けてあげよう”、という思いもありました。
近くのATMで7000AEDを引き出しイタリア人に渡します。
「ありがとう!ありがとう!!ありがとう!!!君は本当に命の恩人だよ」
“手を挙げて喜ぶ”という現場を言葉の額面通りで初めて目の当たりにしました。
まんま”手を挙げて喜んで”いるのです。
さらには涙を流し、何度も抱きついてきてお礼を言われました。
![](https://isseiec.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_3384-300x279.jpeg)
後日……
後日……
連絡は繋がりませんでした。
完全にメールも電話も通じず。
コンタクトをとる手段がありません。
騙された!!
けれどどうすることもできません。
なぜならこれは海外で起こったことだから。
そして情報はこの嘘の名刺だけ。
お手上げの状態です。
反省と教訓
今回学んだことは多いです。
- ただでものを貰えるなんてうまい話はない
- イタリア人は言葉も演技もとにかく大げさ
- 大きなお金を扱うときは慎重に
- 連絡先は『名刺に書かれているから』という理由で容易に信用しない
- イタリア人は信用ならない ←
同じ轍は当然踏むつもりはありません。
今回と同じシチュエーションが起こったら……
- 高額なお金を渡す際には確実な担保を確保する
- コンタクトが取れるかどうか必ずその場で確認する
- 『一度イタリア人に騙されたことがあるから信用ならない』と言ってこの手の話を断る
- とりあえずイタリア人は警戒する ←
色々と選択肢は取れます。
あまり偏見を持って人を見るのは好きではないですが、
イタリア人は要注意。
こんな意識が植え付けられてしまいました。
![](https://isseiec.com/wp-content/uploads/2019/03/IMG_3836-225x300.jpeg)
P.S.
友情の証であるスーツを質屋に持って行きました。
そこでついた値段は……
7万5000円
(1着2万5000円×3)
質屋店員『もともとは15万以上はするものだけど中古のスーツはあまり需要がないからね……』
20万円 → 7万5000円
しかし元々が高いスーツであることは確かなようです。
売るに売れず”友情の証”は今もまだ家にあります。