金管楽器で”簡単に”高い音を出すための練習方法

楽器の練習

金管楽器の(勝手に)お悩みランキング、第一位……

1. 高い音が出ない

では、高い音を出すためにはどうすれば良いのか?
その答えは単純です。
練習するしかありません。
では高い音の練習方法は何でしょう?

これらの方法でも”ただ”高い音を出すことはできるようになると思います。
しかしそれが曲で使えるレベルかと問われると難しいです。

なぜなら曲中ではロングトーンやリップスラーをやるわけではありません。
前後には別の音がありますし、楽譜には他にもいろいろ書いてあります。
何より高い音を出せばそれでゲームクリアとはいきません。
周りの音や曲の表現に合わせて演奏する必要があります。

  • 音量やアクセント
  • 曲の速さ
  • フレーズ、歌い方

“ただ”高い音を出すのではなく”簡単に”出せるように練習する必要があります。

今回はスケールを使った”簡単に”高い音を出す練習を紹介します。

練習を始める前に

練習を始める前に1つ確認です。
楽器を使ってどれくらい高い音が出ますか?

ハ音記号(実音)

ヘ音記号

上は金管の倍音です。
今回は例として実音でチューニングのBbからオクターブ上のCが出たり出なかったりするとします。

『だいだい50%ぐらいの確立で音が出せます』

じゃあ練習としてCの倍音までロングトーン/リップスラーをしよう。

普段だったらこのようになると思います。
これはあまり良くないです。

なぜなら、ロングトーン/リップスラーで音が出せるようになるだけでは曲では使えないから。

 

すなわち、出せる音ではなく、使える音を身につけなければいけません。
因みに、Cの音の出る確率が50%なら、その下のBbの100%、完全確実に音が出せますか?

おそらく100%とは言えないはずです。
Cが50%ならその下は80~90%ぐらいででしょうか?

Cの音を使えるようにするためには、当然その下の倍音の系列、Bbを100%完璧に使えるようにする必要があります。
するとその一つ上のCの音も出しやすくなります。

いきなり自分の中の最高記録に挑むのではなくその下の音をパーペキ(パーフェクト+完璧)に使える様にしましょう。

スケール練習

では実際の練習へ。
誰でも知ってるメジャースケール。

ドレミファソラシド

これを上から下までフルレンジで。
しかも全部のキーで。

写真の例は実音Cの音が出ず、その下のBbの音を練習している想定です。
画像では全ての調では書かれていませんが、全てのキーで練習しましょう。

スケールの中でBb/A♯が入らないスケールは半音下のAの音まででOK。

自分の楽器で出るフルレンジを全てのキーで。
もしスケールに慣れていない場合はスケールも混みの練習。

全てのキーと聞くと時間はかかりそうですが、たとえ1つのキーに1分掛かったとしても12分。
慣れてくればフルレンジ/全調を5分もかからず終わらせることができます。

練習の上での注意点!!

この練習をやる上での必ず守ってほしい注意点!!

1. 必ずメトロノームを使うこと

必ず!
絶対に!!
メトロノームを使ってください!!!

まず重要なことは高い音でも低い音でもメトロノームに合わせて時間通りに音が出せることです。
自分の演奏しやすいいレンジなら時間通りに吹けるけど、高い音になるとメトロノームより早く/遅くなってしまう。

こんなものを曲で使える訳がない!!

その場合は倍音を1つ下げてください。
(楽譜の例の場合BbからGに下げる)

早さよりもまず正確さ。
そのために初めはゆっくりからスタート。
慣れてきたら速くも遅くもできるできるようにしてください。

2. 一定の音量を意識する

練習する時の音量は自分が意識せずに吹ける音量mp~mfで。
一定の音量で吹くように意識してください。
音が高くなるにつれて大きく、低くなるにつれて小さくなるのは多少はしょうがないことです。
しかし高い音になると突然音量が大きく(f)なる。
これはあまり良くありません。
メトロノームに合わせて音を出すこともかなり難しいと思います。

その場合は倍音を1つ下げてください。
(楽譜の例BbからGに下げる)

スケール練習-レベル2

よし、スケールできるようになった。
これでBbは完璧。
いえいえ、

ただスケールを上下できるようになるだけで高い音が完璧に出せるわけがありません。

最初の方にも書きましたが、実際曲で使うときはスケールを演奏するわけではありません。
どんな状況でも100%高い音を出すためには、いろいろなパターンを練習する必要があります。

そんなわけで、高い音を出すためのスケール練習レベル2。
スケールに3度の跳躍を混ぜる。

ドミレファミソファラソシラドシレド

これを再びフルレンジで。

さすがに全部のキーでとは言い難いです。
なぜなら3度の跳躍は4パターンあるから。

  1. ドミレファミソファラソシラドシレド(Up-Up)
  2. ドラミドファレソミ……(Down-Down)
  3. ドミファレミソラファ……(Up-Down)
  4. ドラシレミドレファ(Down-Up)

全てのキーでと言いたいですが、一度に全てのキーで練習すると、他の練習をする時間が無くなってしまいます。
練習の毎に1つのパターンからいくつかのキーで行います。
それが完全完璧100%全てのキーでできるようになったら別パターンに進みましょう。

この練習をやる上でも注意点は変わりません。

  1. 必ずメトロノームを使って時間を守る
  2. 一定の音量を意識

スケール練習-レベル3

レベル2まで終えて……

『なんか高い音が出しやすくなってきた』

と思えるはずです。
ここまでやればかなりその音が使えるようになっているはずです。
しかし、完全完璧100%を目指すならもう一つ上のレベルを目指しましょう。
このパターンは実際の曲でもよく出てきます。

スケール練習レベル3。
3音のアルペジオ。
それをフルレンジで。

当然レベル2と同じく4パターン存在します。

  1. Up-Up
  2. Down-Down
  3. Up-Down
  4. Down-Up

何度でも言います。
この練習をする上で重要なことは2つ。

  1. 必ずメトロノームを使う。時間を守る。
  2. 一定の音量を意識。

高い音の練習-まとめ

ここまでの練習で……

  • 時間通り
  • 一定の音量
  • 完全完璧100パーセント

上の条件でクリアすれば間違いなく高音は使える様になっています。
一番重要なことは高い音も他の音と同じように特に意識せずとも使うことができるようになることです。

スケールの練習をして高い音を出せるように鳴ろう!!

 

P.S.
今回は”高音を出す”ことを練習目的でスケール練習を紹介しました。
当然これよりもレベルを上げることはできます。

  • メジャースケールではないスケールを使う
  • 3度の跳躍ではなく4度の跳躍
  • 3音のアルペジオではなく4音のアルペジオ
  • 3度のアルペジオではなく4度のアルペジオ
  • etc…